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ヴィパッサナー瞑想は仏教における

ヴィパッサナー(パーリvipassanā、サンスクリットvipaśyanā、古語「毘鉢舎那」)は仏教における「観行」(現代中国語「内観」)のパーリ語の発音。よって、ヴィパッサナー瞑想とわざわざ呼ぶ場合は上座部仏教の観行瞑想のこと。またそれを現代風にアレンジした瞑想方法のことも指す。

仏教において瞑想(漢訳「止観」)は、サマタ瞑想(止行)と、ヴィパッサナー瞑想(観行)とに分けられる。前者が心を静めることを中心とし、仏教以前にもインドにおいて広く行なわれてきた瞑想方法であるのに対し、後者では観察することを中心とし、釈迦が新しく開拓ししそれによって悟りを開いた仏教独自の瞑想方法とされる。

伝統的な仏教の修道論においては、念をもって定を得、そこから観をへて悟りに至るとされていた。そのため最初にサマタ瞑想により禅那の四位にいたりそこからヴィパッサナー瞑想で観を得ることを目指すという手法がとられていた。ただし特に欧米では最初から定と観の両方を目指すマハシ系とゴエンカ運動系の瞑想法が広まったために上座部仏教=ヴィパッサナー、中国系大乗仏教=禅、チベット系大乗仏教(密教)=タントラとの誤解が生まれている。
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ヴィパッサナーとは「よく観る」「物事をあるがままに見る」という意味である。一般に仏教においては、こころを鎮めるサマタ瞑想と、物事をあるがままに観察するヴィパッサナー瞑想とが双修され、この点は南伝仏教でも北伝仏教でも変わらない。
伝統的に上座部仏教においては、サマタ瞑想を先に修行して、それからヴィパッサナー瞑想へと進むという階梯がとられてきた。ヴィパッサナー瞑想を行なうためには少なくとも第一禅定(最高で第四禅定)に入っている必要があるとされ、そのためにはサマタ瞑想を行なわねばならないのである。また北伝の大乗仏教においては、サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想の双方を同時に修養していくことが重要視されてきた。禅においては念・定・観をまとめて最初から悟りを目指す瞑想法がとられる。
これに対し、最初からヴィパッサナー瞑想のみを中心に修行するという道も、少数派ながら古くから存在した。これは、ヴィパッサナー瞑想を行うことによって、自然に第一禅定がもたらされるという事実に基づいている。またより重要な問題点として、サマタ瞑想にあまり重点を置きすぎると、それによってもたらされる三昧の快楽に耽ってしまいがちであり、なかなか悟りが開けないという点も指摘される。ブッダの悟りはサマタ瞑想ではなくあくまでもヴィパッサナー瞑想によって開かれたのである。
現代では、在家信者のためにより簡便な瞑想のプログラムが組まれる必要が生じてきた。時間がかかるサマタ瞑想の修行を省略し、最初からヴィパッサナー瞑想のみを修行していく方法がレディー・サヤドウ、ウ・バ・キン、マハーシ・サヤドウ、アジャー・チャン、ゴエンカら複数の僧侶や修行者によって組織化された。これが現代において「ヴィパッサナー瞑想」と称される瞑想方法であり、ミャンマーを中心としたスリランカやタイなどの上座部仏教圏だけでなく、欧米にも紹介されている。
日本においては上座部仏教は小乗仏教として軽視されてきた。また仏教の瞑想法としては、天台宗の止観や臨済宗や曹洞宗の座禅などが長らく主流であった。そのため、欧米と異なり、この(上座部仏教起源の)「ヴィパッサナー瞑想」はなかなか普及しなかったが、90年代以降、日本ヴィパッサナー協会(ゴエンカ系)およびとりわけスマナサーラ長老を中心とした日本テーラワーダ仏教協会(主にマハーシ系)によって指導、紹介されている。
マハーシ・サヤドウ、ゴエンカらが省略または取捨選択して用いたサマタ瞑想を重視し、「ヴィスッディマッガ(清浄道論)」に紹介されたサマタ瞑想をすべて修習することをうたう、ミャンマーのパオ・セヤドーの教えを基にしたパオ系と呼ばれる流派も注目を浴びつつある。この系統の指導者としてパオ・セヤドー以外に日本で知られている人にはクムダ・セヤドーがおり、他にも上座部仏教においては珍しい女性の指導者ディーパンカラ・サヤレーもいる。

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2009年06月08日 11:18に投稿されたエントリーのページです。

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